電波法と電波の種類

電波法は、昭和25年に制定された、電波を利用するための法律です。その電波法を覗いてみます。
第一条には、「この法律は、電波の公平且、能率的な利用確保することよって公共の福祉を増進する」書かれています。
そういえば、アマチュア無線の講習会を受講したときに、「電波は人類共通の財産である」という考え方をしていると
講師の方が話していたことを思い出しました。
まだ第4条には、こう書かれています。
「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならばい、ただし次の各号に掲げる無線局についてはこの限りではない」その例外を見てみます。
発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるもの 微弱無線
26.メガヘルツから27.2メガヘルツまでの周波数の電波を使用し、かつ、空中線電力が0.5ワット以下である無線局のうち総務省令で定めるもの。

市民ラジオ・ラジコン
空中線電力が0.01ワット以下である無線局のうち総務省令で定めるものであって、次条の規定により指定された呼出符号又は呼出名称を自動的に送信し、又は受信する機能をその他総務省令で定める機能を有することによりその他の無線局にその運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用することが出来るもの 特定小電力
第27条の18第1項の登録を受けて開設すり無線局(登録局)


10mW以下のPHS基地局
無線アクセスシステム
など
●微弱無線の規格
無線局から3メートルの距離において、その電界強度で規定されています。
電界強度とは、電波の強さのことで、微弱無線では、非常に弱く厳しいものになっています。
電波の強さを表1に示します。322MHz以下では3mの地点で電波の強さが500マイクロボルト/m以下、
322MHzを超え10GHz以下は35マイクロボルト/mと非常に厳しい規格となっています。
詳細を表2に示します。


表1
(総務省HPより)

周波数帯 電界強度の値(電波の強さ)
322MHz以下 500マイクロボルト/m以下
322MHzを声10GHz以下 35マイクロボルト/m以下
10GHzを超え150GHz以下 3.5Xfマイクロボルト/m以下(500マイクロボルト/mを超える場合は500マイクロボルト/m以下)  fはGHzを単位とする周波数
150GHzを超えるもの 500マイクロボルト/m以下
表2
微弱無線では、電波の強さのみ規制されており、電波の変調方式や電波帯域は規定されていません。
先にお話あいたように、微弱無線の電波の強さは非常に小さく、ダイポールアンテナを使うと微弱無線機の送信機の出力は、数十ナノ(n)Wとなります。
発振回路を作っただけでも0.1mW〜0.01mWくらいはでてしまうので、微弱無線では、アンテナと無線回路の間に、
抵抗で構成したアッテネータを入れたり、アンテナを短くするなど(アンテナ効率をわざと悪くして)工夫をして、なるべく
電波をださないようにして設計しなければなりません。
FMトランスミッタやキーレスエントリーでは、非常に小さいアンテナで済むのはこのあたりに理由があります。
キーレスエントリーなどで飛距離をある程度確保しようとすると、受信感度を良くし、送信機とは反対に感度(アンテナ効率)のよい
アンテナを設計する必要があります。



引き続き特定小電力無線の規格については只今作成中

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